手織本葛布襖地
箱根八里は馬でも超すが越すに越されぬ大井川"と唄われ、全国にその名を知られる大井川、この大井川畔上流に青々と葛蔓(くずつる)が茂っています。この葛蔓を原料として、大切に伝承される手造り手法により丹念に織りあげられるのが、遠州路の伝統的特産品である葛布です。
江戸時代、葛布は東海道土産品番付表において東前頭の上位を占め、大名諸候の参勤交代時の土産品として、また、袴地(はかまじ)・裃地(かみしもじ)として、たいへん珍重されました。
この葛布に裏打の紙を貼り合わせたものが、葛布袴地です。裏打紙には、漉紙(すきがみ)の間似合(まにあい)紙を用います。間似合紙には、泥土を混入しますが、泥土を混入することにより害虫を防ぎ、熱に耐える性質を高め、同時に伸び縮みしない紙と致します。
このようにして作られる天然繊維の葛布襖地は、絹にまさる光沢をもち、年月を経るにつれ増々深い味わいをそなえ、お使い頂くお客様に必ず満足戴けるものと存じております。
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