京からかみ『氷梅』
梅は厳寒の中、薫り高く咲く事から人々の理想として愛されました。
「好文木」とも呼ばれ、学問が栄えると立派な花を付けると伝えられています。
氷裂の中に梅の花が咲いており、春の訪れを告げる吉祥として使われています。
梅と氷の組合わせは以前からあり、氷裂の中に描かれる花といえば梅と決まっています。
原紙:桜色鳥の子
摺色:雲母
引手:蘇芳色
日本の色名は、醍醐天皇の治世に編纂された「延喜式」の中にそのほとんどの原形を見つけることができます。以来千年余りも生き続けてきた色は、それ自体が日本人の色彩観・自然観・美意識を物語るものといえます。
鳥の子の柔らかな肌と雲母の淡い輝きに調和した引手の一つです。
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